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AC -10、あるいはニンジャの・・・・・・全裸!

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↑Skull of Euoplocephalus sp. ”Sherman”. About 47cm length.

 さて、先日なんともなしにググっていたら久しぶりに飛び込みのちょっとした話を見つけた。なかなか興味深い話であるし、備忘録代わりに書いておく。

 アメリカはモンタナ州、本ブログとも因縁の深い(そんなことはない)ジュディス・リバーJudith River層で、極めて完全なアンキロサウルス類の骨格が発見された。
 化石を採集したのは、日本ではほとんどなじみのない化石発掘業者Theropoda Expeditionsである(モンタナ闘争化石の際に一緒にオークションにかけられたティラノサウルスとトリケラトプスの復元骨格を採集・復元したようだ)。ばらけたゴルゴサウルスらしき骨格(自称G.リブラトゥスだが・・・。ジュディスリバーは信用が置けない)を発掘しているさなか、あおむけに横たわっている巨大なアンキロサウルス類―――全長およそ7m―――が姿を現したのだった。

 “Sherman”の愛称を付けられた骨格は、頭骨~頸椎を除いてほぼ関節がつながった状態で保存されていた。現時点でクリーニングは半ばの状態だが、すでに肩と尾の皮骨が生前の位置に留まっていることは確認されている―――頭骨から尾のハンマーまで残っており、スコロサウルスの模式標本をしのぐ、白亜紀後期のものとしては北米最高の保存状態のアンキロサウルス類といってよいだろう。本体に先行してクリーニングされた頭骨は美しく保存されていた。

 本標本―――Shermanは現時点で、クリーニング半ばの状態で買い手を待っている。あるいは、いずれオークションにかけられる身かもしれない。頭骨の形態からして、Shermanはスコロサウルスではなくエウオプロケファルス属であるようだ(サイトに曰く、ローウェンとカークランドはShermanをエウオプロケファルスの新種とみなしているらしい)。
 同定はさておいても、本標本の持つ意味は非常に大きい。関節の繋がったアンキロサウルス類はこれまで北米の最上部白亜系からほとんど見つかっておらず、いずれも不完全であった。一刻も早いShermanの安住の地の確保と、そして研究が望まれる。

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